オトナの恋を教えてください
私は思い出のカレーの方が愛しい。
でも、私のこんな気持ちは、母には絶対理解できない。
それが、私と母の根本の違いなのだと思う。
「結婚が正式なお話になったら、いろははクッキングスクールに通いなさいね」
「え?」
急に話をふられ、私は思い出の世界から現実に立ち返る。
母が怪訝そうな顔をしている。
また、話を聞いていなかったわね、といった顔だ。
「料理の基本を身に着けてからお嫁入りするのは当然です。普段のお料理から、旦那さんがお客を連れてくるときのおもてなし料理まで。ただでさえ、あなたはのんびりでぼんやりなんだから、頑張らないと駄目よ」
「あら、お母さん、いろはさんはのんびりじゃなくて、仕事が丁寧なんですよ。職場でも信頼置かれてるんですから」
美野里がフォローを入れてくれるけれど、母の険しい表情は崩れない。
「お仕事だって出来が悪いのをバレないように、会社の方で気を使ってくれてるんでしょう。そうでなければ、倉庫事務員みたいな仕事、回ってきませんよ。美野里さんみたいに優秀なら、営業企画部のような花形部署に配属されるものだわ」
でも、私のこんな気持ちは、母には絶対理解できない。
それが、私と母の根本の違いなのだと思う。
「結婚が正式なお話になったら、いろははクッキングスクールに通いなさいね」
「え?」
急に話をふられ、私は思い出の世界から現実に立ち返る。
母が怪訝そうな顔をしている。
また、話を聞いていなかったわね、といった顔だ。
「料理の基本を身に着けてからお嫁入りするのは当然です。普段のお料理から、旦那さんがお客を連れてくるときのおもてなし料理まで。ただでさえ、あなたはのんびりでぼんやりなんだから、頑張らないと駄目よ」
「あら、お母さん、いろはさんはのんびりじゃなくて、仕事が丁寧なんですよ。職場でも信頼置かれてるんですから」
美野里がフォローを入れてくれるけれど、母の険しい表情は崩れない。
「お仕事だって出来が悪いのをバレないように、会社の方で気を使ってくれてるんでしょう。そうでなければ、倉庫事務員みたいな仕事、回ってきませんよ。美野里さんみたいに優秀なら、営業企画部のような花形部署に配属されるものだわ」