オトナの恋を教えてください
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「相変わらず、お母さんカッコイイね」
食後、私の自室にて。
ワードローブを並べ、美野里がデート服を選んでくれながら言う。
「ホント、娘の私から見ても若いなぁって思うよ」
「いろは押されっぱなし。私はそれが心配」
美野里はため息まじりに言う。
「お母さんの顔色伺いすぎじゃない?育ててくれた恩があるから、全部従うなんておかしい。お母さんが悪いとは言ってないけど、いろはだって主張してもいいと思う」
「すべき主張が私にはないんだよ。情けないことに。私の一番は、お母さんの喜ぶ顔が見たいってこと。小さい頃からずっとそう」
「じゃあ、他に主張すべきことが見つかったら、いろははそれができる?」
美野里の問いに黙る。