課長の独占欲が強すぎです。
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夕方になって営業会議に行っていた東さんが、戻ってくるなりフロアに残っているみんなを招集させた。主任の真剣な顔つきに皆何事かと固唾を飲む。
「『レジーナ』1月号の刷り部数が決まった。いつもの15万に10パーセントプラスでいく」
いまだかつて無かった強気な数字の発表に営業課の面々が騒ついた。
「16万5000ですか? いくら新連載が始まるからって期待見込みすぎじゃ……」
異論を唱えた牧田さんに、東さんが遮るように強く言い切る。
「新連載のゲラを見てきた。間違いなくあれはヒットする。下手をしたら漫画原作とはいえ有栖川栞の代表作になり兼ねない」
それほどまでに東さんがハッキリと言うと、皆は驚きに言葉を飲んだ後、各々期待や緊張感を含んだ表情になった。