課長の独占欲が強すぎです。

 ひとつの覚悟を決めかけていた時だった。

 東さんが「ちょっとおいで」と言って、私を廊下に連れ出す。

 そして、誰も居ない小会議室に入ると手に持っていたA4の封筒を渡してきた。

「秘密だよ。これが有栖川栞の新連載ゲラだ」

 そう小声で言った東さんに驚いて顔を見上げれば、彼は自分の口に人差し指をたてて促すように頷く。

 私が見てしまってもいいんだろうかと躊躇いつつも、そっと封筒から30数枚の紙の束を取り出した。

 『蒼い鳥 第1話/原作・有栖川栞 漫画・もりかわひろ』と書かれた一枚目の用紙をめくると、完成稿をコピーした表紙が目に入る。
 
 人気漫画家もりかわひろの繊細なタッチで綴られる物語は儚く、それでいて凛としていて人を強烈に惹きつける。気がつくと私は夢中で物語に入り込んでいた。
 
 
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