課長の独占欲が強すぎです。
「見せないほうが良かったかな」
立ち尽くしていた私を、東さんの呼びかけがハッと我に返らせる。
彼の複雑な表情からして、私が何を思っていたか分かっているようだった。
「……東さんも、この作品が和泉さんへ宛てたものだって思いますか?」
ゲラを見つめながら問い掛けた声が、自分でも驚くほど張り詰めている。
東さんは腕を組んでテーブルに寄りかかりながら少し躊躇うように答えた。
「正直、ちょっと考えすぎかと最初は思った。けど、彼女の性格ならやりかねないなって。例の……有栖川さんが宍尾さんを担当編集者に希望してるって噂は知ってるよね? その件と併せて考えると多分、間違いないと思ったよ」
東さんには否定して欲しかったと、心のどこかで期待していた希望が潰える。
そして、それと同時にひとつの疑問が湧いた。