課長の独占欲が強すぎです。
「俺は、宍尾さんのせいで辛い想いをしてる橘さんを放っておけず慰めていただけです。そもそも彼女に泣くほど辛い決意をさせてる宍尾さんに、俺を責める資格があるんですか」
東さんの言葉に顔をいっそう険しくさせた和泉さんが私の方を見やる。
「小夏。前にも言ったはずだ。何故俺のことを東に相談する。俺に言いたいことなら俺に言え」
「でも……」
「言え。泣くほど辛い決意ってのはなんだ。俺はお前にそんな選択を迫った覚えは無い」
和泉さんの言う事は強引だけど正しい。私は沈黙が落ちる中、和泉さんの刺すような視線と東さんの心配そうな眼差しに囲まれながら、おずおずと口を開いた。
「わ…私、和泉さんに編集部に行って欲しいと思います」
それを聞いた途端、彼の表情が僅かに動く。けれど口を挟む事はしなかったので、私はそのまま言葉を続けた。