課長の独占欲が強すぎです。
騒ぎに気付いたホテルのスタッフが私たちに駆け寄って来ると、目を白黒させて心配をする。
「大丈夫ですかお客様! 階段から落ちたんですか!?」
「今救急車を呼びますので!」
「いらん。それよりこいつの傷を治療したい。部屋と救急箱を貸してくれ」
和泉さんが平然とそう言うと、スタッフは驚きの表情を見せた後「承知しました!」とすぐさま手配をしてくれた。
そして、ウエィティングルームを空けてくれたと云う報せを聞くと、和泉さんはなんと軽々と私をお姫様抱っこして運ぼうとするではないか。
「歩けますよ! 降ろして下さい和泉さん!」
「駄目だ。ケガしてるくせに無理をするな」
抵抗むなしく、私はホテルのスタッフが唖然と見守る中、大きな身体にすっぽりと抱きかかえられながらウエィティングルームへと連れられた。