課長の独占欲が強すぎです。
私のケガは本当に軽いすり傷だった。
なのに、和泉さんは借りた救急箱で丁寧に治療をしてくれる。最後に絆創膏をペタンと貼るとようやく「これでよし」と一安心したようだった。
東さんは、私と和泉さんが軽いケガをして別室で治療をしている事を部長や営業課の人たちに連絡しに行ってくれている。
柔らかな心地のコパクトソファーに座ったまま「ありがとうございます」と申し訳なく呟けば、和泉さんは向かい側のソファーにどっかり腰をおろしてこちらを見据えた。
「心配を掛けるな。寿命が縮む」
「すみません……」
階段から落ちるところを身を挺して庇ってもらったのだ。申し訳なさ過ぎてもはや俯かせた顔を上げる事もできない。
けれど、和泉さんは許さず「こっちを向け」と私に命令する。