課長の独占欲が強すぎです。
「話はまだ終わってない。さっきは随分ふざけた事を言ってくれたな」
再び凄みを取り戻した彼の様子に、私の血の気が引いていく。もう今度は逃げられる状況じゃない。
「俺に編集部へ行けだの離れる覚悟があるだの、お前はよっぽど俺を怒らせたいらしいな」
「そ、そんなんじゃありません! 私はただ……!」
本当に怒らせるつもりじゃないのだと弁明し掛けた時。
「俺は営業の仕事もお前の恋人も、生半可じゃない覚悟でやっている。他人が口出しして覆るものじゃない」
和泉さんは怒りではなく真剣味を含んだ声できっぱりとそう言い切った。
彼の大真面目な様子に思わず言葉を失う。
「俺は嘘が嫌いだ。自分の発言には絶対の責任を持つ。だから編集部を辞め営業に行くと願い出たときも、お前を俺のものだと言ったときも、人生を賭けるつもりで口にしたんだ。絶対に覆らないと」