課長の独占欲が強すぎです。

「私と和泉さんは良くても、有栖川さんと作品を待ってる人たちは……」

 そう口にしかけた時だった。

 扉をノックする音がして、部長と東さんと……有栖川さんが部屋へと入ってきた。

 部長に改めて報告をし「すみません、ご心配掛けました」と和泉さんと揃って頭を下げる。
 
 特に叱られはしなかったけど、部長はひたすら和泉さんの頑丈さに驚愕しつつ「一応医者に行け」と気遣いの言葉を残して部屋から出て行った。

 そうしてウエィティングルームに残されたのは4人。私は妙な緊張感を感じずにはいられない。

「宍尾さん、大丈夫ですか? 階段から落ちたと伺って心配で……」

 本当に有栖川さんは和泉さんを好きなのだなと、心配の余りここまで駆けつけたのであろう彼女を見て改めて思う。

「ご心配ありがとうございます。私は何ともありません。こいつに少しケガを負わせてしまいましたが」

 和泉さんがそう言って私の方に顔を向けると、有栖川さんがようやく私の存在に気付いた。

「あ……さっきの……」

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