課長の独占欲が強すぎです。

 まさかタクシー内でそんな事をされるとは思わず、焦って顔が真っ赤になってしまう。

「い、和泉さん! 場所をわきまえて下さい!」

 小声で反論するも和泉さんは相変わらず私の抵抗など何処吹く風だ。

 実に楽しそうに目を細めて笑うと、和泉さんは大きな手で私の頭を優しく撫でて言う。

「本当にお前は可愛いな、小夏。愛しすぎて恐いぐらいだ」

 何気ない言葉だったけれど、それはなんだか胸にとても響いた。

 『壊れそうで恐いな』

 ずっと前そう言っていた和泉さんは、いつしか私に触れるのを躊躇わなくなって、代わりに全身全霊を以て包んでくれている。
 
 きっと、今度は私を失うのを恐いと思いながら。

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