課長の独占欲が強すぎです。
ある休日の夜、食事に行った帰りに和泉さんが夜桜を観に行こうと誘ってきた。もちろん私は喜んで頷く。
1年前、歓迎会で酔いつぶれた私を和泉さんが背負って送ってくれた事を思い出さずにはいられない、そんな桜並木の河川敷をふたり笑い合いながら歩いていた時だった。
1番大きな桜の下で、和泉さんがふと足を止める。
「小夏」
呼びかけた声は耳に慣れた低い声だけど、今日は特別な真剣みを帯びて聞こえた。
「俺が好きか?」
改めて聞くのも恥ずかしいような質問だけど、彼のまっすぐに見つめる眼差しが特別な答えを待っている気がして。
「好きです。誰よりも、世界で1番和泉さんが好きです」
心から素直な気持ちを伝えれば、和泉さんは優しく私の左手を握って引き寄せた。