課長の独占欲が強すぎです。
「おつかれ、今帰るとこ?」
「はい。東主任もお疲れ様です。こんな時間まで大変ですね」
「7件販促展開して来たよ〜。昼も食べてないんだ。もうヘトヘト」
それは大変だなあと思っていると、東さんはコンビニの袋に入ったサンドイッチを掲げて見せてこちらに笑い掛ける。
「さすがにちょっと休憩しようと思って。帰る前にそこの公園で一息つこうと思って買って来たんだけどひとりじゃ寂しいし、橘さん良かったら付き合ってくんない?」
急に言われてどうしようと思ったけれど、別に急いでるワケじゃないし、疲れている主任の話し相手になれればと考えて「いいですよ」と快諾した。
オフィス街の憩いの場になっている大型公園は、夜でもライトアップされているせいで随分と明るい。
噴水の近くのベンチに腰を降ろすと、東さんは園内の自動販売機で買ったコーヒーを1本私に差し出す。
「ごめんね、帰ろうとしてたとこ強引に連れてきちゃって」
「いいえ、全然」
こんなの宍尾さんの有無を言わさない強引さに比べたら優しいもんだ、などと心で思いながら差し出された缶コーヒーをありがたく受け取った。