課長の独占欲が強すぎです。
「わあ! いいんですか? 嬉しい、これ観たかったんだ!」
「だと思った」
けれど、東さんは穏やかな笑顔を浮かべながらチケットを渡そうとしない。目の前に差し出しているので受け取っていいのかと指で摘んだけれど、一向に力を緩めずこちらに渡す気配がなかった。
「えっと……あの?」
「タダではあげない」
「え?」
「俺と付き合ってよ、橘さん。デートって事ならこのチケットあげるよ」
「……っ!?えええぇっ!!」
人の少なくなった公園に私の叫び声が響く。耳を疑うほどこちらは驚きうろたえているのに、東さんと来たら冷静そのものだ。
「で、で、でも、東さんとなんて、そんな」
「気付かなかった? 俺、ずっと橘さんのこと好きだったの」
「えええぇっ!?」
また叫んでしまった。夢にも思わなかった東さんからの告白に顔がカッカと熱くなってきて何も考えられなくなってしまう。