課長の独占欲が強すぎです。
「な、なんですか」と冷静を装って返したけれど、声が上擦っていたかもしれない。
「1番得意な料理はなんだ?」
ふいの質問に、私は少し考えてから茶碗蒸しを挙げた。自分が好きだからよく作るので、成功率は1番高い気がする。
すると、私の答えを聞いた和泉さんは口元を少しだけふっと緩ませて言った。
「そうか。ならば今度はそれを作れ」
「茶碗蒸しをですか?」
「そうだ」
茶碗蒸しを作る? それは別に難しい事では無いけれど首を傾げてしまう。だって、茶碗蒸しはさすがにお弁当には出来ないし。
そんな疑問に、和泉さんは至極当然と云った口調で答えた。
「俺の部屋へ来て作れと言ってるんだ」
「えっ!!」
和やかな公園広場に私の驚声が響く。いや、まあ恋人ならそれも普通なんだろうけど、でもいきなり部屋に誘われるとは思わなかった。
なんだか色々意識してしまって「そ、そのうちに……」とゴニョゴニョ呟きながら、私は俯いて喉に詰まりそうな食事を続けた。