課長の独占欲が強すぎです。
一応3、5人前を想定して作ったお弁当はもしかしたら少なかっただろうか。そう心配になるほど和泉さんは綺麗に食べ尽くしてくれた。「美味かった」と言ってくれたので味の方はまあ合格だったのだろう。
私はお弁当箱を片付けると保冷バッグの中から冷やしておいたフルーツと果物ナイフを取り出す。
「デザートにと思って持ってきたんです。今、剥きますからちょっと待って下さいね」
甘夏と青林檎を順番にセッセと剥いていき紙皿の上に並べていくのを和泉さんはジッと眺めていた。あまり器用な手つきではないので見ないで欲しいんだけどな。
そうして並べた果物にピックを刺したのだけど、なぜだか和泉さんは一向に手を出そうとしない。
「果物嫌いでしたか?」
心配になって聞いた私に、和泉さんは頬杖をついたままの姿勢で口を開くと
「食べさせろ」
とんでもない科白を吐き出した。