氷の歌姫
「いや、そうなんだけどさ....シェルノリア様の威厳に関わらない?」
そーだ、そーだと口論になる。
「でも、シェルノリ「みんな、本題に戻りましょ?」
話をぶった切ったホタル。
・・・さすがは弓張月棟最年長
威厳がある
「ディーヴァ、念話は届く?」
独り、離れて立っていた巫女がゆっくり首をふる。
「ディーヴァがダメならば、シリウス?」
尋ねているはずなのに、拒否権を感じさせないのは何故だろう。
「シリウス先輩 お願いします! 私たちじゃ、先輩にたどり着く前に凍死です!」
「そーですよ!」
「お願いしますってばーー!」
行くしかないか
シェルが訓練室に入っている一週間。
俺は絶食状態だった。
中身がシェルの血だからと言って、血液のパックでは満たされない。
ルーカスはそれで充分らしい
・・・・・あれはただの吸血鬼だからな
一週間そこらの絶食で、死にはしないが、身体はだるい
こいつらに任せておきたかったがーーー
「そこで待っとけ。絶対に入ってくるなよ」
扉を開ける。
やるしか無い
この冷気には、シェルの血を取り込んでいる俺位しか、耐え切らない。