極上ドクターの甘い求愛
……あ、美味しい。
ここの居酒屋には、唐揚げが絶品だからと先輩に言われて連れてきてもらったんだけど、一口その唐揚げを食べてみれば、本当に美味しくて、唐揚げを食べる手が止まらない。
あっという間に1つを食べてしまって、2つ目に箸を伸ばした時、先輩の手によって、唐揚げが乗っかっていた皿をひょいと取り上げられてしまった。
『唐揚げより、木曜日に何かあったか話しなさい?』
「……はい、すみません。」
こめかみに青筋立てた先輩の恐怖の笑顔を見て、私は右手の箸を引っ込めた。
一体、どこからどこまでを話せばいいんだろう…?
昨日のことは、あまりにも色んなことが一度にありすぎて、簡潔には話せそうにない。
『…結局、岩崎とのデートが嫌になったってこと?』
「なっ、ち、違います…!岩崎先生が嫌とか、そんなんじゃなくて…っ!」
『じゃあ何なのよ?』
「っ・・・」
すっかり、岩崎先生のことを呼び捨てになっている先輩に怪しく見つめられて、いたたまれず視線を壁に張り付けてある居酒屋のメニュー表に向けてしまう。
ここは、隠し事なんてせずにぶちまけちゃった方がいいのかもしれない、と小さな覚悟を決めた私は、おもむろに口を薄く開いた。