極上ドクターの甘い求愛



――"業務が終わったら、4階の休憩スペースに来ていただけませんか?先生に、渡したいものがあるんです。"


そんなメールを打ったのは、今朝方だった。

日勤だった私は、業務を終え、帰り支度を済ませると、消化器外科がある4階の職員休憩スペースに来ていた。

大きな自動販売機が3つも並んでいる前に置かれている白色の長椅子に座って、岩崎先生を待つ。突然、私が岩崎先生にメールを送信したのは、木曜のデートをドタキャンしてしまったお詫びをするため。

自発的に岩崎先生にメールを打ったのは、実はこれが初めてで、送信して3分も経たずに返ってきた岩崎先生の了承のメールにはとても驚かされた。

男の人って、こういうのはルーズなものなんじゃなかったっけ?

雑誌や少女漫画なんかでよく見かけていた、男性はメールの返信や待ち合わせ時間には疎い、という概念は、どうやら岩崎先生には通用しないらしかった。


『――あ、咲坂じゃん。』

「っ、……日野くん…!」


ただひたすらに岩崎先生がやってくるのを待っていると、病院着を着ている日野くんが私を見つけてやってきた。

元々ここのスペースにはあまり人が来ないから、必然的に私と日野くんは2人きりということになる。

いくら小学校からの顔見知りとはいえ、何年も口を聞いてなかったからか、妙な気まずさが私を襲った。



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