極上ドクターの甘い求愛



――「……ふぅ、良かった…!」


走って駐車場まで来た私は、まだ岩崎先生が来ていないことに安堵した。

岩崎先生を待たせるなんてこと、失礼だもんね。


『…繭ちゃん。』

「っ、」

『お待たせ。』


運動不足が祟って乱れた息を整えていると、背後から岩崎先生の柔らかな声がかかって、振り向く。

微塵も業務の疲れを見せない岩崎先生は、笑顔で"さぁ乗って"と私に催促しながら、ベンツのカギを開けた。


「あの、せんせっ――」

『繭ちゃんに聞きたいこともあるから、ね?』

「ッ……は、はい。」


有無を言わせない笑顔を張り付けた岩崎先生に、なぜか逆らえなかった私。いや、いつも岩崎先生には逆らえないんだけど。

岩崎先生のベンツの助手席に乗り込みながら、ああ今日も押し切られちゃったなぁとしみじみと思う。

ここに乗せていもらうのが今日で何回目になるのかなんて、もうわからなくなってしまった。


「…あの、話って?」

『まぁまぁ、取り敢えず、ドライブに付き合ってよ。』


――は?

二コリ、と私に極上のスマイルを向けた先生は、その甘い笑顔とは裏腹にいつもより少し荒めの運転でベンツを発進させた。

……私を家まで送ってくれるだけじゃなかったの?



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