極上ドクターの甘い求愛
こういうとこ…全然変わってないな。
曲がったことが大嫌いで、正面から向き合うこの感じ。小学生の頃と、変わっていない。
顔つきも体格も声も成長して男らしくなっている日野くんの、変わらない部分を垣間見ることができて安心する自分がいた。
「でも、わざわざそんなことしてくれなくても、」
『違うって。俺が咲坂が好きだからそうするんじゃなくて、昔お前を傷つけちまった詫びがしてぇんだよ。』
"それに、本当に何もなかったら、何もしねーよ。"
日野くんの優しさ溢れる言葉の数々に、幾度となく涙腺が緩みそうになる。
けれど、ここで泣いたらもっと日野くんに気を使わせていしまうことが分かっていたから、今にも泣きそうになっていることを悟られないように必死で涙をこらえた。
「…ありがとう、日野くん。」
『おう。じゃ…俺もう行くわ。』
「うん…明日、頑張って。」
『それ、昨日も聞いたな。…じゃあな。』
私に告白したことや、私がそれをフッたことなんて感じさせない笑顔を私に向けた日野くんは、ベンチから立ち上げると、院内に戻って行った。
(患者さんに元気もらってる私…まだまだ未熟だなぁ…。)
五月晴れの空を見上げながら、士気を高めつつ、一口かじったままにしていたメロンパンにかじりつく。
メロンパンの表面にコーティングされている砂糖の甘さを和らげようと、日野くんにもらったばかりの無糖の紅茶を口に流し込んだ。