極上ドクターの甘い求愛



小島さんが私にカンファの間違った時間を故意に教えてからというもの、薬剤部内での私への風当たりは一層増していた。

小島さんに助長するかのように私だけに押し付けられる莫大な仕事量。

これまで定時ギリギリには上がれていたはずなのに、ここ3日は残業が続いている。

今日のように岩崎先生がお昼を誘おうと私を訪ねに度々薬剤部にやってくることも知っている薬剤部の職員達は、私と岩崎先生を出来るだけ会わせないようにとこうして私に調剤の仕事ばかりを押し付け、私を調剤室に閉じ込めようとする。

そのおかげで、昨日も岩崎先生のお昼のお誘いを断ったばかりだ。――そして、今日も。


(……ダメだ。ここで根を上げるわけにはいかない。)


どんなに周りに悪口を言われようと、見え見えの嫌がらせをされようと、私は薬剤師で医療人であるという規律だけが今の私を支えていた。

私は職員達の顔色を窺うためにここで働いているんじゃない。患者さんのために、働いているんだ。だから、ここで弱音を吐くわけにはいかない。


誰もいない倉庫から必要な薬剤を集めた私は、その足で調剤室に向かうと、もうそこには誰もいなかった。



< 185 / 234 >

この作品をシェア

pagetop