極上ドクターの甘い求愛
――でも、それももう、限界かもしれない。
この終わりの見えない悪夢のような日々に耐えられるほど、私はまだ強くなかった。
今まで何を言われても、何をされても、職場では流さなかった涙が眼頭に溜まって行く。
…ヤバい、泣いちゃう。ダメなのに、こらえられない。
『――誰が顔も心もブスだって?』
「っ――!」
『『『!?』』』
今にも涙を零しそうに涙ぐんでいる私を周りから遮断するかのように、私の前に立ちはだかったのは、日野くんだった。
どこから現れたのか分からない、突然の登場に、零れかけていた涙が引っ込んでいく。
衝撃のあまりにこちらを目を見開いて見つめるナースさん達から私を守るように立ってくれている日野くんの背中はとても広くて、頼もしかった。
『せ、瀬戸さ――』
『顔も心もブスなのはそっちだろ。患者が通る廊下にまで聞こえるような大声で醜い悪口を堂々と言うなんて、看護師として、いや…人としてどうなわけ?』
『『『っっ』』』
日野くんの低くてドスの利いた声から放たれる数々の的を突くような言葉に、ナースさん達は何も言えないようだった。