極上ドクターの甘い求愛



『それに、何か勘違いしてるようだけど、俺…別に咲坂に岩崎先生から乗り換えられたわけじゃねーから。コイツとは、小・中学校が一緒で顔見知りだっただけ。この前の昼だって、たまたま会ったから話してただけだし。』


日野くんは全部、聞いてたんだ。

彼女たちが私の悪口を言い始める、最初から。それを聞いている私が、泣きそうになっているのを分かってて。

曲がったことが大嫌いな日野くんは、それを見て何もせずにいられなかったんだ。


『アンタら、岩崎先生のこと好きなのに、岩崎先生のこと何も知らねーんだな。あの人が見てるのは、コイツだけなの。10日前に初めて入院してきた俺でも分かるっつーの。意中の相手が自分を見てくれないからって、いい大人が僻(ひが)むんじゃねーよ。みっともねぇ。』

『『『~~~っ』』』


いつも平穏な空気が流れる院内で、こんな事態になってしまって、周りが何だ何だと騒ぎ始めた。

病室にいた患者さんや、医局の医師たちも廊下に出てきて、日野くんとナースさん達の対峙を好奇な目で見つめている。

多くの観衆の目に晒されて羞恥心が高まったのか、ナースさん達は眉間に皺を寄せながら顔を真っ赤に染めている。それでも、正論を言う日野くんには何も言い返せないようだった。



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