極上ドクターの甘い求愛



大丈夫だからと、日野くんにも自分自身にも言い聞かせる。


『ッ大丈夫なわけねーだろ!お前っ…今自分がどんな顔してるのか、鏡で見てみろよ!そんな…っ、上辺だけの笑顔で大丈夫って言われても、はいそうですかって見過ごせるわけねーっつーの!』

「……っ!」


でも、やっぱり無理があったらしい。

誰かに自分を擁護してもらっても、私の心は涙を流したままだった。

それを周りに隠せるほど、私はまだ大人じゃなかった。


『何で岩崎先生に何も言わないんだよ。お前があんな風にイジメられてるの、全部あの人のせいだろ!?』

「イジメだなんて言わないで!…イジメだなんて…っ」

『あんなの、イジメと変わらないだろ!』

「っ」


日野くんの核心を突く言葉に、心臓が止まるような気分だった。

これはイジメなんかじゃないと、今まで自分に言い聞かせてきた。イジメだと認識してしまったら、もうここで働きたくないと思ってしまいそうで、この病院に嫌な感情しか生まれなくなりそうで、それが怖くて。


『抱えすぎなんだよ、昔も今も。何で自分で全部なんとかしようとすんだよ…。』

「………」

『それを見てることしかできない周りのことも考えろよな。』


一週間ほど前に、居酒屋で頼ってほしいと言ってくれた前田先輩と、隣にいる日野くんが重なって見えた。



< 194 / 234 >

この作品をシェア

pagetop