極上ドクターの甘い求愛
『――後でムリなんて言っても無駄だよ。俺、絶対離さないから。』
「…はい。」
ようやく私を離してくれた先生は、これまで以上の飛び切りの笑顔を私だけに向けてくれた。
――私だって、離さないでほしい。
そう思ったのは、先生には内緒。
「…先生、いい加減離してくださいませんか…?」
先生の腕の中にある私の存在を確かめるかのように、ギュッと抱きしめて離さない岩崎先生に、このピンクな空気に耐えられなくなってしまった私はそう言った。
男の人とこんな風に長い時間密着するなんて、心臓が持たない、というのが本音だった。
『・・・やだ。まだ繭ちゃんとこうしてたい。』
「ちょっと、……もう、」
離すもんか、と抱きしめる力を強くした先生に、私は観念するしかなかった。
先生の力に叶うはずないことくらい、随分と前から分かり切ったことだし、……先生の言い分も、ちょっと分かるから。――恥ずかしいけど。
『俺……幸せすぎて死んじゃいそう。』
「…安心してください。幸福感が死因で亡くなった事例なんて、この世にはありませんから。」
『……それくらい繭ちゃんと恋人になれて嬉しいってことだよ?』
「っ・・・」
私の耳元で囁くように艶やかにそう言ってくる岩崎先生は、絶対ワザとだ。
こんなことして、私が赤くなるのを分かってて、楽しんでる。
「~~~っ…離してください!」
『まだダメだって。』
これは何の拷問ですか…っ!?
恋愛初心者の私には、先生の愛情溢れるこの行為に、到底慣れそうになかった。
大きくも小さくも抵抗を見せても結局は岩崎先生の想いのままになってしまう。それは、岩崎先生と出会ったあの時から、全く変わらない。