極上ドクターの甘い求愛
「小島さんの調剤はいつもスピーディで正確で、同じ時期に配属されたのに、どうしてこうも違うんだろうって、劣等感も感じてました。小島さんはすごく明るくて、人懐っこい方だから、人見知りをしてしまう私より何倍も周囲に溶け込むのも早くて、それが羨ましくて。」
この雲泥の差に、一時期は思い悩んでしまう時期もあった。
だけど、こんな私にも明るく接してくれる小島さんを妬ましく思うことはなかったんだ。だから、元の関係まで修復することはできないと思うけど、ちゃんとした職場仲間になりたいと、思うんだ。
「小島さんにとってみれば、私なんか関わりたくない存在なのかもしれません。でも、ここで一緒に仕事する以上は…そういった感情を、業務時間内だけでも抑えていただけませんか。」
『………っ』
「私は純粋に、小島さんと仕事がしたいんです。…お願いします。」
そう言い終わるのと同時に、小島さんに深く頭を下げる。
健全な仕事が出来るのなら、私はどんな羞恥なことをしたってかまわない。そんな気持ちだった。
『……私だって、貴女が羨ましかった。』
「え…っ?」
『いい大人なのに、こっちが恥ずかしくなるくらいに真っ直ぐで、正直で、仕事に真摯で。私は人の顔色ばかりを窺って接するのが体に染みついてて、だから…貴女のいつでも規律正しく仕事をこなそうとする姿勢を目の当たりにするたびに、自分が汚れた人間に見えて。岩崎先生にも好かれてるし、前田さんとも同僚の私以上に仲がいいから、余計に。』
あの時、薬剤部の扉の向こうで聞いた小島さんの本音とはまた違った言葉に、私は至極驚いた。
小島さんが…こんな私を羨ましいと思ってるなんて、想像もしていなかったから。
『岩崎先生に言われて気付いたわ。…あんなみっともない真似をしてしまって、ごめんなさい。』
「ッ――!」
『……お疲れ様。』
2人の間にあった確執が取れた瞬間、今まで張りつめていた緊張の糸が、一気に緩んでいくのを感じた。