極上ドクターの甘い求愛
高校の受験に入るまでは、毎日お菓子作りに没頭してたくらいだから。
『へぇ。…でも、繭ちゃん甘いのニガテじゃなかった?』
「ッ……何でご存じなんですか。」
甘いものが苦手なことは、岩崎先生には一度も言っていないはず。そんな素振りも見せてないはずなのに。
とにかく、冷たい目線を送る私にキラキラスマイルで、繭ちゃんのことなら何でも知ってると言った隣の男に虫唾が走った。
岩崎先生が言うと冗談に聞こえないから怖い。
『いつも無糖のブラックコーヒーを嗜んでる繭ちゃん見てれば分かるよ。甘いもの得意じゃないんだろうなって。』
「……そうですか。」
先生の前でコーヒー飲んだことあったっけ?と記憶を探ってみるけど、岩崎先生の記憶がありふれてて検索不可能だった。
甘いものが好きじゃない私が甘ったるいお菓子を作る理由は一つしかない。
家族が皆甘党だから。お菓子とかケーキが大好きで、お母さんは毎日のようにお菓子作りをしてた。それにつられて私もお菓子作りをするようになって、どっぷりお菓子の世界にハマってしまったのは言うまでもない。
…それに、私の作ったお菓子を美味しいと幸せそうに食べてくれる人の笑顔が見れるから、やめられない。
でも、食べる相手がいない今は、お菓子を作っても腐らせちゃうだけだから、昔ほど作らなくなっちゃったけど。