極上ドクターの甘い求愛
「――飲み会?」
4月下旬。
本格的に春の陽気に包まれて、寒がりの私はとても快適に過ごしていた。
調剤室で電子カルテを出力していると、隣で調剤していた同僚の小島さんから飲み会の話を聞いた。
今週の金曜日に入社した新人達のために病院全体の歓迎会が行われるらしい。…っていっても、ただの飲み会だけど。
『行くよね?ってか、来てくんないと困るから!』
自分が調剤すべき処方箋の作成をしている横で、小島さんは私に必ず飲み会に出席しろと強く言ってくる。
この人って口も手も同時に動かせるんだからすごいよなー、と思いつつも、なんで私が強制的に飲み会参加をせがまれているのか引っかかった。
「私、幹事じゃなかったよね?…何でそんなに飲み会に行かせたがるの?」
『何言ってるの!繭ちゃんが来ないと先生が来てくれないでしょ!?』
――あぁ、なるほど。
ポケーッとしている私とは対照的に、小島さんはくわっと私に食い掛った。
そういえば、小島さんって岩崎先生の取り巻きの一人、だよね。
今年のバレンタインに、小島さんが岩崎先生に手作りチョコレートを渡していたのを見たことを思い出した。…きっとあのチョコも本命なんだろうなー。