極上ドクターの甘い求愛
ふふふー、岩崎先生の情報網はいっぱいあるんだよ!と笑顔で嬉しそうに言う小島さんに、私は完全に引いた。
――恐るべし、岩崎先生ファン。
もしかして、この前私が先生に生キャラメルあげたこと…バレてないよね!?
途端に不安になって、不覚にも手が震えた。……岩崎先生ファンにあの事が知られたら…私今度こそ、抹殺されるかもしれない。そう思った瞬間、背筋に冷たい汗がタラリと流れた。
『とにかく!繭ちゃんは絶対に参加してね!金曜日早出でしょ?』
「でも今、金欠で――」
『決まり!薬剤部の幹事は私だから!場所とか日にちは掲示板に貼ってあるから後で読んでね!』
「ちょっ…と、」
いつの間に調剤を終えたのか。
小島さんは調剤した点滴用製剤を抱えて調剤室から出て行ってしまった。
残された私は電子カルテの出力が途中で止まったまま。
はぁー、金欠だって言ったのに。心の中で鬱憤を吐きつつも、パソコンを操作する。
飲み会の参加料は基本前払いだ。前日前には払わなきゃ参加できない。なのに、給料日は今週の金曜。削りに削っていたお金をはたかなきゃいけないのが飲み会なんて、気が重い。
……仕方ない、今月の両親の仕送りはちょっと抑えさせてもらおう。
千葉の実家にいるお母さんとお父さんに申し訳なさを募らせながら、私はやっと集中して業務に戻った。