極上ドクターの甘い求愛



――そして迎えた、飲み会当日。


『『『かんぱーーいっ!!』』』


部署や科ごとに分かれてそれぞれのテーブルを囲み、参加者全員が揃って数分後、院長による盛大な乾杯の号令がフロア中に鳴り響いた。

まず一杯目に頼んだ生ビールをゴクゴクと飲んでいると、隣に座っていた前田先輩が私の服の袖を引っ張る。


「何ですか?」

『やっぱり咲坂ちゃんが飲み会に来ると岩崎先生も参加するって言うジンクスはアタリなのね!』

「ジンクスって…。」


頬をピクピクと釣り上げた苦笑いしか返せなかった。

前田先輩の仰る通り、消化器外科のテーブルにはナースさんを両脇に抱えた岩崎先生がいらっしゃる。

えぇ、えぇ、昨日…偶然先生に会った時に聞かれましたよ。飲み会に参加するのかって。嘘をつく理由も見つからなくて正直に頷いたら、先生はじゃあ参加しようかな、と笑顔で言いやがったんだ。

数日前に小島さんの言葉を否定していた私が間違っていたんだと思い知らされた瞬間だった。確かに、岩崎先生は私が飲み会に参加するか否かを聞いて、自分がどうするのか決めているのだ。

…ありえない、何で飲み会参加のジャッジの基準が私なの?



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