極上ドクターの甘い求愛
でも今日は飲んでいる。
『飲み会となると、飲まないわけにはいかないからね。ちゃんと車は自宅に置いてきたから大丈夫だよ。』
「そう、ですか。」
確かに、先生は飲みの席で飲まない、ということは周りの人が許してくれないだろう、と妙に納得した。
挨拶回りで飲まされるだろうし、ナースさん達もお酒を勧めてくるだろうし。
人気者は大変だなぁと他人事のように思うだけで焼酎を飲んでいると、前田先輩のために頼んでいたオレンジジュースが運ばれてきた。
「先生、ビールでよろしいですか?」
『…いや、そのオレンジもらうよ。これ、前田のだろ?』
「え、はい。そうですけど…。」
手元にドリンクがない先生のためにオーダーをしようかと思っていたら、オレンジジュースに口をつけちゃった先生を見て、待たせていた店員さんに謝った。
……何でそのオレンジジュースが前田先輩が頼んだやつだって分かったんだろう。
前田先輩は仲良くないとかって言ってたけど、案外この2人って仲がいいのかも。だって、一応同期――だしね?
後輩の私に要らない謙遜なんてしなくてもいいのに、と思いながら、久しぶりにジュースってのもいいね、なんて言う先生の話を半分聞き流しながら聞いていたのだった。