極上ドクターの甘い求愛
「な…っ、何で私が――」
『昨日起こしても起きないくらいまで酔ったのは誰だったっけね?』
「~~~っ」
どうしても先生は私にご飯を作らせる気らしい。
ググッと手首に掛かる力が増していくのを感じて、先生は実に本気で言っているんだと察した。
確かに、先生の迷惑をかけたのは私だ。……社会人として、ちゃんと借りを返しておくべきだろう。だって非があるのは完全に私の方なんだから。
「……簡単なものしか作れませんけど、それでいいなら。」
『本当?』
「…はい。」
コクンと頷けば、目の前の先生は嬉しそうな笑顔を浮かべて喜ぶ。
掴まれていた手首もようやく離されて、こんな爽やかな人があんな力を出すなんて…と、人は見かけによらないと思った。
「キッチン、借りますね。」
『うん。……あ、でも冷蔵庫に食材あったかなー?』
朝から上機嫌な先生は、ニコニコでベッドから足を出すと、部屋を出ていく。
病院では見たことない、岩崎先生の部屋着姿を見て、あんなスウェットみたいなのも着るんだー、やっぱ顔がイイ人は何を着ても似合うなーなんてどうでもいいことを思いつつも、私も先生の後を追った。