極上ドクターの甘い求愛
――はい?
夜勤を控えている先生には家にいてもらおうと、一人で買い物に行くと言うと、被せ気味で遮られてしまった。
「あの、無理しなくていいんですよ?私、買い物くらい一人で――」
『無理なんかしてないけど。』
「いや、先生は夜勤でしょう?お休みになってたほうが、」
『俺は繭ちゃんといる方が疲労回復には一番だから。』
・・・。
ニコニコと私の気遣いをことごとく切り捨てていく先生にこぼしそうになる溜め息をグッとこらえた。
――そうか、先生といると無駄に疲れるのは、先生が私の体力と気力を吸い取ってたからなんだ。
『それに、ここら辺の土地勘ないでしょ?』
「……。」
そこを突かれると何も言えないわけで。
実際、ここがどこなのかも分からない。最寄り駅はどこになるの?
『ね、俺も行く。』
「……分かりました。」
仕方なく、頷いた。
例え近所への買い物であっても、先生とのお出かけなんて憂鬱で堪らないけれど。
ご飯作らないと家に帰してくれなさそうだし。せめてここがどこかくらいは知っておきたい。今は金欠だからタクシーで帰ることもできないわけだから。
先生と一緒に買い物に行くという意思を見せると、満足した先生はちょっと待っててと言って出掛ける準備をしに行ったのだった。