極上ドクターの甘い求愛



「…何ですか?」


もう、貴方のために悩んでるのに。

あまり買い物の邪魔をしてほしくない私は、ちょっと冷たい態度になってしまう。


『ついでにお弁当作ってよ。』

「……はい?」


岩崎先生の身体のためだ、とあまり乗り気になれない40円高い方のじゃがいもをカゴに入れていると、本日2回目の先生の意味不明発言が飛び出した。

……なんで、"ついで"ってことになるの?


「――お弁当くらい、ご自分で作ってください。」

『え~っ、俺は繭ちゃん手作りのお弁当が食いたいんだけどなぁー!』


続いてニンジンの品定めに向かう私の後を追いつつ、お弁当を作ってと懇願してくる先生は、まるで駄々をこねる子どものようだ。

面倒くさい…。なんでそんなに私の作ったものを欲しがるんだ、この人は。


「だいたい、ご自宅にお弁当箱はあるんですか?」

『え、それは……、』

「ないなら、作れませんよね?」


精一杯の愛想笑いを浮かべてあげた。

お弁当箱の有無を聞かれて固まる先生を見て、ないなら何で作れなんて言い出したんだか…と蔑みの笑いがこぼれてしまう。



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