極上ドクターの甘い求愛
昼ご飯を作るのもやる気ないのに、夜勤用のお弁当まで作るなんて……ムリ。
面倒だし、お弁当を作りだしたら帰る時間先送りになっちゃう。お酒に浸ってクタクタな身体を早く家で休めたい。
「一人暮らしなんですから自炊のことも考えてご自分で――あれ?」
ほんの数秒、岩崎先生からニンジンへと視線を向けて、また振り返ったら、傍にいたはずの先生はいなかった。
ご丁寧にカートはここに置いたまま。……どこへ行った?
――あぁ、トイレか。
大の大人が迷子にはならないだろうと軽く考えた私は、ニンジンの品定めを始める。
んーっと、そんなにニンジンはいれないから…ちょっと高いやつにしておこうかな。えーっと次は玉ねぎ~、玉ねぎ…っと、
カートを押して、広告の品!と貼りだされている玉ねぎのコーナーへ。
『繭ちゃん。』
「、先生!…どこ行ってらっしゃったんです?」
特売の玉ねぎを3玉ほどカゴに入れていると、先生が戻ってきた。心なしか、先生の笑顔がいつもより輝かしい気がするのは私だけ?
「せめてどこに行ってくるかくらい言って――」
『お弁当箱、あったよ。』
「……えっ?」
ずいっとニコニコ顔の岩崎先生の大きな手から渡されたのは、黒のお弁当箱だった。