極上ドクターの甘い求愛
生活雑貨コーナーから持ってきたのか、黒のお弁当箱はビニールで包装されていた。手渡されたお弁当箱のラベルを見ると、バーコードと580円の文字。……安い。
――じゃなくてっ!
「さっき作らないって言ったじゃないですか!」
『えー?それはお弁当がない時の話でしょ?お弁当箱なら、今買うし。』
私の手から易々とお弁当を取り上げた岩崎先生は、ポスッと買い物カゴにそのお弁当箱を入れた。
「わ、私作りませんよ。ご自分で作って――」
『昨日の夜、酔ってる繭ちゃんを介抱したのは誰だったっけな~?』
「~~~っ!」
この人、卑怯すぎる…!
何を言われてもめげない、と決めていたのに、昨日のことを言われるとぐうの音も出ない。
岩崎先生って、自分の貸しを最大活用する嫌なタイプだったんだ、とまたマイナスな一面を思い知った。
そのくせに、何この爽やかすぎる笑顔。言うことは厭味ったらしいのに、何でこんな顔するの?これであらゆる女の子をモノにしてきたんだ。――やっぱり、私の好みとは真逆な男だ。
「……今日だけですからね。」
『優しい繭ちゃんはそう言ってくれると思った♪』
誰もが惚れ込んじゃうような笑顔を向けてくる岩崎先生から、ふいっと顔を背けた。
……これだからモテる男は嫌いなんだ。