極上ドクターの甘い求愛



――午後4時。

岩崎先生のお家でちゃっかりとお昼ご飯を頂いた私は、出勤前の岩崎先生の車で家まで送ってもらっていた。


「…ありがとうございます、わざわざ送っていただいて…。」

『いいの、いいの。大事な女の子を一人で帰らせるほうが心配だし。』


岩崎先生のベンツの助手席に乗せてもらうのは、今日で3回目。

手慣れたようにハンドルを握る岩崎先生の横顔も、少し見慣れてきた。

"大事な女の子"――か…。

初めて言われたなー、そんなこと。岩崎先生が紡ぐ"可愛い"も"好き"も、私にとっては初めて言われた言葉だらけで。


『それに、繭ちゃんともっと一緒にいたかったしね。』

「……っ」


まるで、学生時代に没頭して読んでいた少女漫画のような世界に連れていかれてるみたいで。

地位も富も名声も全てを持っている岩崎先生と過ごす時間はあまりにも洋菓子みたいに甘くて、フワフワしてて、夢のようで。

今まで恋や青春とは程遠い人生を送ってきた私には異次元の世界に感じられるから、どうしたらいいのかわからない。

もし、先生に本気になってしまったら?私は――きっと辛い恋をするだけだ。


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