極上ドクターの甘い求愛
「ありがとうございます。早速、お薬の説明をさせていただきますね。…座ってもいいですか?」
誰だって初対面の人に対して、この人は自分にとって有益な人かどうか見極める。
特に入院している患者さんの場合、病気が完治するのかという心の不安も抱えている。薬剤師の私には、お薬の有効性を説明することくらいでしか、患者さんの不安を少しずつ取り外すことしかできないから。
口を開こうとはしてくれないが、頭を振ることで意思を示してくれるだけまだマシだと考えて、私はにこやかに瀬戸さんのベッド脇に丸椅子を置いて座った。
「これから瀬戸さんに服用していただくお薬は3つございます。まず、1つ目なんですが――、こちらを見ていただけますか?このお薬は――」
写真付きのお薬の説明書を渡して、順々に説明していく。
薬の専門的知識を持っていない患者さんに、少しでも理解していただけるように、なるべく簡単に、簡潔に、でも重要なところは何度も繰り返して言葉にして、説明を重ねた。
「――以上で、お薬の説明は終わりです。何かご不明な点はございましたか?」
処方箋と薬の説明書きを瀬戸さんに手渡す。
『――あの、』
「はい?何でしょうか?」
初めて聞く瀬戸さんの声に素早く反応した私は、何か言葉を詰まらせているような様子を見せる瀬戸さんを見つめた。