極上ドクターの甘い求愛
『…もしかして、咲坂さんの下の名前って――"繭"だったり、しますか。』
「え……っ?」
私の名前を言い当てられた瞬間、ドクンッ、と私の心音が体全体に響いた。
どうして、私の名前が繭だって――…
『あ、やっぱり。そうか……咲坂か。』
「え、あの……っ、」
一瞬で固まった私の様子を見て、図星をとらえたのか、瀬戸さんは服薬指導の時には無表情のままで硬かった顔面をくしゃりと崩して微笑んだ。
咲坂、と突然の呼び捨てに私の脳はキャパシティ超えだと訴えかけるかのように全く働かない。
何で私を知ってるの――?
『俺だよ。分かる?小学校の時から一緒だったんだけど。』
「え……っと、」
小学校?
そんな昔のこと、記憶があまりにもかすれてて、よく思い出せなかった。
小学校のころ、こんな顔立ちの良い男の子なんていたっけ?
『――あ、そっか。俺苗字変わったんだった。――日野 和久。そういえば分かるか?』
日野 和久
その名前を聞いた瞬間、小学校の薄れていたはずの記憶が一気にフラッシュバックした。