新選組へ ~ 連理之枝 ~
その後……誠が、角が見えなかったって
拳骨のことより、そっちを悔しがってて

新八と俺は呆れた


総司は、面白がって

「えーーあんなにくっきり出てたのに!」

とか言うから、夕餉の時

土方さんの頭、ずっーーーと見てて

また、4人で拳骨貰ったんだ


ろくな事無い


誠にちゃんと、教えないと

そのうち、総司みたいになりそうだ








誠と歩きながら

「総司の言うことは、ほとんど騙し事!
信じなくていいよ!!」

「騙し事でも、楽しいから
俺は、沖田さんが好きだから、信じます」


本当、いい子だね

疑いたくないんだね

そういうとこ、強いね


「誠、俺は?」

「好きです!信じているので、行き先わからなくても、楽しいです」

「あっ!言ってなかったね!?
三十三間堂だよ!
頭痛にいい御守りがあるんだ!」

「藤堂さん……俺の為に?」

「そうだよ?」

「せっかくの非番に?」

「誠と来たかったんだよ!嫌だった?」

「嬉しいです!!」

にこっ

やっと、ちゃんと笑ったね…

「さっ!!行こう!」

「あっ!でも…門限までに帰れますか?」

「大丈夫!泊まるって言っておいたよ」

「えぇ!!」

「嫌だった?」

「嬉しいです!藤堂さんと一緒に旅してるみたいですね!」

「誠!いいか?今から、誠は俺の弟だ!
敬語禁止!それから、平助でいいよ!」

「組長にそのような……」

「お願い!!俺、弟とか妹が欲しかったんだよ-!お願い!!」

手を合わせて、拝む

俺より少し小さい誠を、下から覗き込むようにして、拝む

これは、背の高い総司がよく、色んな人に
お願い事をするときの技だ

「……わっ、わかりました」


総司、ありがとう

上手くいった


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