新選組へ ~ 連理之枝 ~
「なるほど・・・谷田部か
見張ってみよう
ところで、あれから変わりはないか?」

「はい、特に頭痛もないですし、何も?」

「近藤さんのところに、客が来てるから
一緒に来てくれ」

「はい」







「失礼します」

土方さんに続き部屋に入る

やっぱり・・・佐々木さんか

丁寧に頭を下げた

「頭を上げろ!」

機嫌悪い?

「俺がわかるか?」

「え?・・・いいえ
お会いしたことがありますでしょうか?」

「ふんっ まぁいい」

「誠は、身に覚えかないって、言っていたが、お前は幕府にいたそうだ
長州にお前の存在が知られているから
その事をこちらの佐々木殿に、報告した」


「誠を黒谷で預かる」

「え?黒谷?」

「佐々木殿は、会津の方だからな」

「あの、もしも連れ去られたとして
話すようなこともないですし
そんな、大事ではないと・・・」

「お前を連れ戻せと、命令も受けている」

「俺、何かしたんでしょうか?」

「つべこべ言わず、来ればいい」

「お断りします」

「「誠!」」

近藤さんと土方さんが、揃える

「恐れながら、間者捜索をしている最中
俺が、逃げるのは良くありません
新選組や俺、そちらにとっても
そう、思いませんか?」

「記憶はなくとも、根は変わらぬか
誠、こい」

ポンポンと膝を叩いている

「なんです?」

「こちらにこい」

「え?」

佐々木がニヤリと笑う

本当に、コイツは俺を弄る

くっそっ!!

「佐々木殿、遊んでいる場合ではありません!」

土方さん!!ありがとう!!

神だ!!


「まぁ良いではないか!」

はぁ!!!???

えええええ?????

簡単に抱っこされてる

ん?

クンクン

佐々木さんから、なんだか臭ったことのあるお香の臭い

クンクン

佐「犬みたいだな?」

しまった・・・臭いを嗅ぐのに夢中になってた

土「なんだ?」

近 クンクン「これは、良い香りですね」


佐「何の臭いかわかるか?」

俺「さぁ?でも、知ってる気がします」

佐「そりゃあそうだろうな!お前が作ったらしいぞ?」

俺「え?・・・お香の作り方も知らないですけど?」

佐「根は変わらぬということだ」


全部思い出したと思ってたのにな





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