新選組へ ~ 連理之枝 ~
にせもの
数日かけて、たまった仕事が片付いた

「誠、明日やるぞ!」

「対決ですか?」

「おぅ!」

「よし!今日は、ぐっすり寝るぞ!!」

「おやすみ」

「おやすみなさい」


誠は、表現もだが、感情を出せるようになった

まだ、隊士の前では、あまり出さない

明日、道場で誠と対決か…

ククッ 対決って…

暗闇に目が慣れ、誠の寝顔が見える

最近、魘されることが無くなった

すべて思い出したのだろうか


別々の布団で寝るのが、当たり前なのに

たまに誠を抱きしめて寝たいと思う


寝つきの悪い俺が、朝までぐっすりだから

誠の方が、不思議な力を出せるんじゃねぇかな?


ううううう…


寝れない…


困った

何度も寝返りを打つ


「…きぃさん」


誠の小さな寝言を聞き逃さなかった

誠にとって、俊太郎はどんな存在だった?

俺の拷問受けても、口を割らなかったのに

誠を助ける為に、あっさり喋った

俊太郎は、何を知っていた?


あーーー寝れねぇ


かと言って、誠の布団に入って

また、男色を疑われるのも嫌だ


ガバッ

「誠?」

「…」

「どうした?」

「…土方さん」

「怖い夢でも見たのか?」

「うん…土方さん…一緒に寝てもいい?」

「おぅ」

申し訳なさそうに、俺の布団に入ってくる

正直、助かった

これで寝れる!!



誠は、あまり甘えないように



強がる




今まで、甘えることがなかっただろうから

もっと甘えてくれたらいいのにな




不思議だ…




もう、眠い…

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