新選組へ ~ 連理之枝 ~
「新選組に戻るか?」

「慶喜のバカ!!」


戻りたいと言って欲しかった


「夏弥の口の悪さには、敵わんよ!」

「はいはい…つげよ!!」

「夏弥…
俺を怨んでいないのか?」

「うん」

「怨まれて当然のことをした
俺は、新選組や古高に嫉妬した
夏弥を盗られたくなくて」

「だからって殺すなよな」

「すまん」

「お互い様だな…」

「何がだ?」

「嫉妬… 俺もした」

「夏弥が?」

「そっ俺が!!
あっそうだ!!お芳と俺の噂聞いた!?」

「お前が、手を出さないとわかっている」

「出したって言ったら?」

「はははっ ないな!!」

「うん…
でも俺はお芳のこと好いてるぞ!?」

「夏弥の方が性格悪いな」

「慶喜がほったらかすからだろ?
お芳が可哀想だ」

「だからって、手を出すな?」

「どの口が言うんだよ?」


誠が急に真剣な顔で言った



「慶喜……俺を、解放してくれ」






「それは…… すまん ……できぬ」







「うん… 知ってる!
言ってみただけ!!」

「夏弥、体調は?」

「は?今さら?悪ぃに決まってんだろ?
無理して、付き合ってやってんだ!
飲め!!」

「明日、医者に見て貰えよ!」

「病気じゃねぇし、いいよ別に
お前が輝知の世話をすれば、寝れるな!
あぁ…輝知、泣いてねぇかな」

「すっかり親だな」

「まぁな」




全く酔わずに、先に戻って行った



「土方…少し、話そう」

「はい」

「どうだった?」

「根は同じだと思いましたが
やはり、夏弥なのだと…実感しました
素が出せるのは、慶喜様の前だからですね」

「夏弥が、俺に自分のことをお願いしたことは、今までなかった
戻って来てから、いくつかお願いをされたが……叶えてやれんことばかりでな
新選組に置いていた方が、よかったのでは…と今さら罪なことをしたと
悔やんでいる」

「正直、返してもらいたいです
誠が、夏弥が自分で慶喜様の元へ戻った
それは、事実です!
新選組より、慶喜様を選んだんです!」

言ってて泣きそうになった


「新選組の為だ…
京に残ったお前達を佐々木に探らせて
容保に預かるように言ったのは、夏弥だ
浪士組を調べているうちに夏弥は、
お前達に惹かれていた
芹沢の件を夏弥が見てしまい
記憶がなくなった
ある程度は、覚えていたが
感情を無くしてしまい、新選組の近くに
やれば、変化があるやもと近づけた
…まさか、拾われて土方の小姓になるとは予想外だったがな? ははっ
たまに、会う機会を作ろう!
そろそろ、休もう!」

「はい!ありがとうございます!」



誠が…



俺達を知っていた



新選組を作ってくれた


誠が…

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