新選組へ ~ 連理之枝 ~
【土方】

誠の体調が回復しないと、知らせがあった

山南さんが行った時も、良くなさそうな

話だった


今回は、俺が行くことになった




見舞いには、慶喜様も同席する

本音言うと、2人きりで話したかった



「土方…さん」

「久しぶりだな!?」


思っていたより、悪そうだ…


誠「…はい」

慶「夏弥、大阪に行かず新選組にいろ!
土方…頼めるか?」

土「はい!喜んで、お預かりします!」

誠「……行かない」

慶「夏弥…ならば、医者に見て貰え!!
何がそんなに嫌なのだ?」

誠「病気じゃない」

慶「どう見ても、病だ!!」

俺「誠…皆、心配してるんだぞ?」


ハッ!! 誠と呼んでしまった!!

少し微笑んで、力無く

誠「へ……き、すぐ治る……
慶喜…が、将軍に…なっ…たら昭則を
容保の養子に…してあげて……
はぁ…それと、お芳に…もっと
かまってやれ……
土方…さん…伊東…は、気をつけて…
近藤さん…は、見抜け…ない…
……へ…助、を近づけ……なっ…で
はぁ…はぁ…はぁ…」

慶「夏弥…喋るな!」



遺言みたいなこと、言うんじゃねぇよ…



俺「医者に見せましょう!!」

誠「い……や……だ……はぁ…
寝たい…出てって……」

慶「夏弥…」

誠「ごめ……ん」


慶「土方…出よう」


慶喜様に促されるまま、部屋を出た





「慶喜様……新選組を信じて夏弥を
預けて下さい!!
俺達で、何とかしてみます!」



「うむ、大阪に向かう際、夏弥に内緒で
新選組に連れて行く
俺に気を使って、行かないなど…
思ってもないこと言って…
俺が、無理をさせているのだろう」



誠が、帰ってくる



必ずもとに戻す!!



心に誓いながら、屯所に帰り皆に伝えた


大喜びしていたが、近藤さんだけは


体調が戻れば、慶喜様に返すと


喜びを見せなかった






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