新選組へ ~ 連理之枝 ~
夕刻になり、慶喜から承知したと文が届く

桂宮様の処から、戻って来ない愁迦を

迎えに行こうと部屋を出た


庭に愁迦の姿を見つけた



俺は、もっと ちゃんと愁迦の相手を

すべきだった



賢く、機転が利く為

俺の前で幼く振る舞っていたが


何とも寂しげに、枯れかけた梅の花を見て


今にも、消え入るようだ



ああ…



夏弥は、愁迦を演じているのでは?


ふとそう思った


自分の名前がわからないと言ったのに


桂宮様を母上と認識していた



だとしたら…



記憶は、戻っている?



天子様への振る舞いも納得いく




ひとつき…



そうだ!!



ひとつきで、自由になれる




騙されてやろう
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