新選組へ ~ 連理之枝 ~
翌日


夏弥が輿でやって来た


「慶喜様、お世話になります
急なことで、大変だったでしょう?」

「喜ばしくお受け致しました
東宮様をお預かりできるとは、名誉なことです!!有難き幸せにございます!」

「中川宮様は、とてもお困りでしたよ?」

「なぜです?」

そういえば、対応に困っていると文にあったな…


「さぁ?1日に何度大声で怒られたか…
今頃は、のびのびされていることでしょうねぇ
慶喜様、迷惑でしたら仰って下さいね!」

「迷惑などとは…
ゆるりと過ごされて頂ければ幸いです
そろそろ、お部屋にご案内致します!」

「慶喜様、おいくつですか?」

「…はっはい? 28にございます」

「ふ~ん」





は? …なんなんだ!?



「では、参りましょう」

「はい」



少し、廊下を歩くと


「慶喜様!?あちらの方は?」

「気になりますか?」

「まぁ…すごくジロジロ見られたので」

「東宮様にお会いする機会は、そうあることではありませんからね」

「慶喜様は、平然とされているのに?」

「心の中では、飛び跳ねていますよ」

「慶喜様が?」

「…ええ」

「ふ~ん… ヘンなの」


扱いにくい…

よく喋る割に、中身がない


「慶喜様!!後で庭を歩いても良いですか?」

「お一人では、困ります
ご一緒します」

「そうですか?
仕事が出来ないとか、後で言わないで下さいね」


「…はい」


散歩ではないのか???


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