新選組へ ~ 連理之枝 ~
庭で迎えを待つ

「誠!!」

佐々木さんの声に振り向くと、土方さんも
一緒にいた
2人に近づき、挨拶交わす

「おはようございます」
「体調はどうだ?」
「すっかり、良くなりました」
「そうか、よかった…」
「このまま、出て良いそうですよ」
「行こうか」
「はい」


「誠様!!」

紅葉様が走って、こちらに

「紅葉様?いかがされました?」
「行かないで……」

驚いた……紅葉は、俺より背が低い
目線を合わせたら
グイッ ちゅっ
口づけをされた

「春… 誠様、またお忘れになってしまう」
「紅葉様、すみません」
「紅葉って呼んでいたわ」
「そのように呼ぶ訳にはいきません」

紅葉の初恋も恐らく俺だ

女だって知っても、俺を思っている

「もう、会えないかもしれないわ」

「生きてさえいれば、こうして
会えると思っています……紅葉様
よく、覚えていないけど、あなたは
いつも俺を笑わせてくれていたんでしょ?
泣かないで……紅葉様に泣かれたら
俺、どうしたらいいか……」

「ずるいわ!優しいところは、ちっとも変わらないなんて!!」


急に、怒り出したのがおかしくて

にこり

「元気な紅葉様の方が良いですね!」

笑ってしまった

「またお会い出来るかしら?」
「きっと、会えますよ」


ぺこりとお辞儀して
佐々木さんと土方さんの方を向いたら
間抜けな顔していた

「行きますよ?」

笑いそうになったけど、堪えた


屯所に戻ったら、近藤さんから熱烈な歓迎を受けた

体調崩したのは、布団が無いからだと
俺の布団を用意してくれた

皆から、すごく心配されていたみたいだ
嬉しかったが、しばらく留守の間に
散らかったな
明日から、頑張って掃除しよう

夜、布団を2組敷いた

先に休むように言われたけど

寒い





「誠?どうした?」
「べっ……別に」

土方さんが俺の布団に入ってきて

「寒いんだろ?」

鬼というのは、心を読めるのだろう

「土方さん、あったかいですね」

「そうか?」


うとうとしてたら

「誠の笑った顔が見れてよかったよ」

土方さんの声がしたけど
返事も出来ず眠ってしまった




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