雨恋~雨のちキミ~
「早っ」


「一年の教室に、何の用ですか?」


「何って…。千賀ちゃんのお迎え」


キッと睨みつけても、微笑みを崩さない先輩


「鷹野先輩が迎えに来る理由が分かりません」


「一日にして有名人になったシンデレラガールの護衛…って言うたら納得してくれる?」


「はぁっ?ちょ…止めて下さいよ」


「あはははは。千賀ちゃん、必死やな」


この状況を楽しんでいるらしい


この人、最悪や…


ただでさえ水月先輩とのことで騒がれているのに

そこに鷹野先輩まで絡んできたら

それこそ学校に居られなくなる


「水月、エントランスで待ってるで」


「え…」


「あいつと2人きりやったら、色々と噂立つやろ。だから間に俺が入ってるんやけど」


本音か冗談か分からず

眉間に皺を寄せたまま先輩の顔を見上げた


「ほら、ここに居ったら目立つで。水月も待たせてるし、帰ろうや」


腕を掴まれグイと引っ張られる


「一人で歩けます」


よろけてぶつかりそうになるのを必死で堪え

大股で先輩を追い越した

背後からクスクスと笑う声が聞こえる


「水月の前やと可愛いのになぁー」


別に可愛こぶってるわけじゃない

ただ、どうしたらいいか分からず

恥ずかしさと緊張で固まってしまうだけ
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