雨恋~雨のちキミ~
「お疲れ」


靴を履き替えると、昨日と同じ場所で水月先輩が待っていた


「おっ、お疲れさ…様ですっ」


噛んだ…

めっちゃ恥ずかしい


水月先輩の後ろでは

鷹野先輩が口元に拳を押し当てて笑いを噛み殺している


「帰ろっか」


「…はい」


当たり前のように、3人で並んで歩き出す


「大丈夫?」


「えっ?」


黙ったまま歩いていたのに

校門の辺りで突如水月先輩から振られた質問

意味が分からず先輩を見上げると

少し困った表情であたしを見下ろしている視線とぶつかった


「今日一日…色んな人から質問攻めされてん」


「そう………ですか…」


「だから恵ちゃんは大丈夫やったんかな、って…」


今日の出来事を思い出す

朝の呼び出しに始まり

一日中向けられた好奇の目


やっぱり皆、あたしと先輩とじゃ釣り合えへんって言いたいんかな


それは、水月先輩の隣に立つ鷹野先輩からも感じられる


「大丈夫でしたよ」


ニッコリと笑顔を作ってみせた

余計なことで先輩に迷惑を掛けたくない


「そっか」


安堵の溜息を吐く水月先輩

その時───


「何もないことないやん」


鷹野先輩の一言で場の空気が凍り付いた
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